作品紹介

一期一会

慌ただしく日々が過ぎていく現代のなかで失われつつある日本の良さ。思いやりの心や奥ゆかしさ、感謝の気持ち。 一期一会とは、お茶のこころです。
茶人として名高い幕末の大老、井伊直弼は『茶湯一会集』の中で「茶の湯の交会は一期一会と言ってたとえ同じ主客が幾度交会しても、今日の会は二度と繰り返されない事を思うと、実に一生に一度きりの物である。」と言っています。
同じ客、同じ道具、同じ季節であったとしても、それでも二度と同じ会をする事は出来ない。常に今は今でしかない。交わした言葉、気持ち、吹く風、空には二度とは会えないのです。全てが一生に一度だけ会う「有り難い」チャンスです。
その一期一会をかけがえのないものとし、感謝し、大切に思う。その心が茶の湯のこころです。こころを込めて自分の家を掃き清め、季節を愛でて、お客様を招き入れる。二度とはない今を大切にし、客人を心から歓待し、挨拶を交わし、清々しい気分を共有する。
お茶をいただき、木漏れ日に季節の移ろいを感じ、落ち着く。感謝の念をもって挨拶を交わし、別れる。
そういう心のふれあいや日本人が古くから大切にしてきた心を現代と融合させ、私達なりにこの空間で表現してみました。
自然の生命力の強さを象徴する朱赤と、シャープなイメージの市松模様で粋な雰囲気を、千代紙のボーダーで日本人ならではの繊細さを表しています。 心地よい風は木々をそよがせ、清かな音を奏でます。明るい光が自然の色彩を楽しませてくれます。
この庭はおもてなしの心で人を迎え入れる庭です。この一期一会に感謝致します。

瀬崎 幸敏

  • 参加項目

    ホームガーデン