作品紹介

リム イン チョング

中東地域では、庭園は地上の楽園と信じられています。イスラムのコーランの教えでは、人間は神が創造し、庭で生き、死ぬと楽園に行くと言われています。

一方で中東といえば、日々紛争が耐えず、新聞では毎日のように爆弾による大量殺戮や襲撃に関する記事が報じられています。普通に生きることさえ難しく、自然も過酷で、もしかしたらそこは地球上の地獄のような所なのかもしれません。

ではいったいどうすれば、この地獄のようなところから抜け出し、天国に行けるだろうか?
それはたとえば砂漠地帯から抜け出し、水と青々とした植物が生い茂る安全な中庭へ入るようなものです。とげだらけで有毒な樹液を出す植物しか育たない不毛な砂漠地帯とは対照的な、ヤシの実やオリーブがたわわに実りバラの花があふれた場所です。

私が「目をそらさずに、じっと見つめて」と名づけたこの庭園は、3つのテーマの世界を旅するようにできています。

最初は乾燥の庭です。これは平和のない地球を象徴しています。水がなく、生存することも困難です。ここにある植物はすべて、世界のさまざまな乾燥地域から植物を集められたものです。土はなく、地面は石ころばかりでみずみずしい豊かな地球とは正反対です。植物には彫刻のような美しさはありますが、とげだらけで有毒な樹液をだします。人間は平和のない世界で生きることは難しく、苦痛であることを表しています。

次にある中庭は中東風の庭を表現しています。ここには噴水があり、水は四方向へ分かれ、それぞれ4つの水路へと流れています。座ることや、横になれる場所もあります。ヤシの実やオリーブは豊かさの象徴です。薔薇の花やジャスミン、クロッカス、他の地中海の草花がここを訪れる者の五感を満足させてくれます。乾燥の庭とは対照的な平和な世界を表しています。

最後はこの楽園に行くためのパズルを完成させることです。平和とはこの楽園へとつながる道のことです。平和への道へたどり着くためには、お互いの目を合わせ、意見を同じにしなければいけません。お互いの視点から世界をよく見つめることです。そうすることでお互いの状況をわかりあうことができ、だからこそ共感することができるのです。文化の違い、宗教の違い、人種の違い、そして政治的に異なる立場から、お互いを理解し感じあえることができます。

3つの可動式の「目」の仕切りは、平和の旅の助けになるとともに障害物にもなりえます。この「目」がバラバラだと、道の先にある中庭がよくみえません。一方、「目」が一列に並ぶことで、中庭にある楽園を見通すことができ、この地へと真っ直ぐに歩いて向かうことができます。すなわち地上の楽園である平和を見つけるができるのです。

過去の作品

リム イン チョング

リム イン チョング

  • 参加項目

    ショーガーデン

  • 受賞歴

    National House and Garden Award 第1位
    チェルシーフラワーショーShow Garden銀賞 / 2006
    シンガポールガーデンフェスティバル銀賞 / 2010
    ガーデニングワールドカップ金賞、「平和と花」特別賞(長崎県知事賞)および最優秀デザイン賞(佐世保市長賞) / 2011 ほか

  • 紹介文

    香港ディズニーランドなどのテーマパークをはじめ、熱帯植物の第一人者として様々なリゾートホテルやプライベートガーデンのデザインを手掛けてきたマレーシアを代表するガーデンデザイナー。多くの来場者の感動を呼んだ昨年のガーデニングワールドカップでの作品が記憶に新しい。色彩、音、香り、見る者の五感を刺激する彼のガーデンに要注目。

  • [Movie]メッセージ

  • 施工会社

    有限会社 西海園芸
    長崎県東彼杵郡波佐見町折敷瀬郷1661
    TEL : 0956-85-6539

  • スポンサー Frenz Hotel

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    Blumont Corp Ltd.

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